紀陽情報システム株式会社

コラム

和音

音楽の和音には陰の和音と陽の和音があるのをご存じでしょうか。
もの悲しい感じのする「陰」の和音、明るい感じのする「陽」の和音です。何となく自然には感じられていることのように思います。

私は学生の頃、マンドリンクラブでマンドラという少し低音系の楽器を弾いていました。


「マンドラ」
マンドリン属の弦楽器で、マンドリンよりも一回り大きい。マンドラ・テノールとマンドラ・コントラルトがあり、通常、マンドラといえば日本ではマンドラ・テノールのことを意味する。マンドリンオーケストラでは主に中音域を担当し、主旋律、副旋律、伴奏と幅広く活躍する。
(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)


その練習の中で『たったひとつの音が変わるだけで、和音が「陰」から「陽」にかわる』ということに気づかされました。ある曲の静かな流れのところで自分のパートだけ音の変わるところがありましたが、静かにそっとその音を出すとコーチが曲を止めて「今の音はもっと大きく弾きなさい」と言われました。「こんな静かな曲の箇所で?」という私達の表情を見て取ったように「今のあなた達の音で、曲が「陰」の和音から「陽」の和音に変わるとても大切な音なのですよ」と続けて言われました。確かに曲はそれまでもの悲しいゆったりした流れから、明るい感じに転じてゆき、最後には華々しく終わるというものでした。

たったひとつの音で音の響きが変わる・・私は目からウロコが落ちる思いがしました。また、何より不思議だったのが、それ以降、私の耳にはいろんな音が感じられるようになったことです。音楽は音を重ねて和音を奏でながら、メロディー(主旋律)や伴奏、裏メロディなどが表に出たり、引っ込んだりしながら流れていきます。今までと同じ練習、耳に入ってくるのは同じ音なのに、感じられる音が一気に増えた思いがしました。そして同じような音が続く伴奏でも効かせどころがある、それはたったひとつの音かもしれないけれどとても大切な音がある。そう思って耳で聞いていると、曲に対しても今までと違って「気持ち」が入るのを感じました。自分にとってとても大切な音、大切な曲になっているという気持ちです。

また、普段の生活にこの音楽を当てはめることは意外と容易です。そう考えてみたことのある人も多いのではないかと思います。ひとりひとりが音を出していると想像してみれば、チームで仕事をするとき、会議をするとき、研修を受けているとき、食堂で楽しくおしゃべりしているときでさえ、この和音を考えずにはいられません。

もっとみんな、自分の音を大きく出しましょう。
想いを音に込めましょう。
和音を自分の耳で感じましょう。

今まで見えなかったものが見えてくるかもしれません。

2007/11/19 Posted by H.O.