紀陽情報システム株式会社

コラム

品質を越えて

ある外国製のオートバイを真上から撮影したものです。

良く見ると左右のステップ(足をのせるところ)の位置が前後に大きくずれていることがわかります。水平対向2気筒という形式のエンジンは向かい合う2個の燃焼室で発生した往復運動の動力源を回転運動として後輪に伝えるためには、回転軸から少しずらしたほうが伝動効率が良いため、このような配置になっています。ステップの位置はある程度エンジンから離さないとつま先が熱くなるので、エンジン位置のずれがそのままステップ位置のずれになっています。オートバイは自動車のようにシートやハンドル位置を自分の好みの位置に動かすことはできず、ステップ、ハンドル、シートの3箇所で乗車姿勢が決まるため、ステップ位置は非常に重要な要素です。

優秀で几帳面な日本の技術者であれば、伝動効率を落とすことなく対象なデザインとなるよう努力し、きっと実現するに違いありません。


でも、考えてみて下さい。ずれていてはダメなのでしょうか?


見た目だけではなく、乗ってみると分かりますが、ずれが原因で、アクセルを吹かすと右に傾き、アクセルを閉じると左に傾くという特性があります。一般道を法定速度内で走っていれば、気づきませんが、ある一定の速度域を超えて旋回すると、驚くほど傾いたり起き上がったりします。

「そんなに飛ばしてどうすの?」
と諭されているようです。

自動車メーカーの設計部門で働く友人から「車を後ろから見たときにトランクとボディの隙間をいかに左右均一にできるかが品質の差だ」と教えてもらったことがあります。ところが、最近よく見かける右の自動車は、方向指示器やブレーキランプの位置が、法律で詳細に定められているにも関わらず、左右非対称にデザインされています。作り手の挑戦意欲が伝わってきます。


我々のシステム作りでも、多くのテストを行い、不具合を限りなく排除し、より品質の高いシステムを開発しつつ、さらに利用者が求める以上のものを 提供したいと思います。


2008/07/11 Posted by Y.T.