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コラム

シュガーロード

お菓子 長崎街道をご存じですか?長崎街道とは山陽道につながる脇街道で、福岡県の小倉から長崎までの57里(約224km)を結ぶ江戸時代の街道で25の宿場がありました。昨年は、NHK大河ドラマの「龍馬伝」でも長崎が紹介されていましたので、皆さんの記憶にも新しいのではないでしょうか。鎖国時代、長崎は海外の文化や技術が入ってくる唯一の窓口でした。参勤交代の大名も出島のオランダ館長も、この道を歩いたと言われています。さて、この長崎街道ですが「シュガーロード」とも言われています。江戸時代、外国との唯一の貿易港であった長崎には初めて砂糖が輸入され、長崎街道を通って江戸に運ばれました。そのことからシュガーロードと言われています。長崎に入ってきた砂糖が街道に沿って流通し、お菓子が作られたからです。今回は、このシュガーロードで生まれたお菓子を長崎から小倉の順にご紹介します。

シュガーロードの起点となる長崎を代表する銘菓といえば、やはり「カステラ」ですね。長崎を歩けば、街のあちらこちらでカステラの看板が目に入ります。有名店だけでなく小さなお店でもカステラを作っています。日本でカステラが作られるようになったのは、1624(寛永元)年創業の老舗「mサ屋」の初代が、ポルトガル人から製法を学んだのが始まりだと伝えられています。また、このカステラをベースとして新しいお菓子も作られています。

お菓子 長崎の次は佐賀に入ります。佐賀の銘菓といえば「小城羊羹(おぎようかん)(※1)」です。佐賀県のほぼ中央、佐賀平野の西端に位置する城下町「小城(おぎ)」。小城には、今でも町には20軒あまりの羊羹店が軒を連ねています。昔ながらの製法で作られた羊羹は、どっしりとして食べ応えがあります。渋めのお茶が合いますね。次も佐賀を代表する銘菓のひとつで、ポルトガル語で「ケーキ」を意味する「ボーロ」の名前がついた「丸ボーロ」です。やさしい甘みとふわりとした独特の食感が人気のスイーツです。「ボーロ」が長崎に伝来したのは17世紀後半で、ポルトガルの菓子をオランダ人や中国人から学んだことが始まりとされています。

お菓子 佐賀の次は福岡です。長崎街道の終点・小倉でも、長崎貿易がもたらしたスイーツ文化は、今なお息づいています。福岡の銘菓としては、まず「千鳥饅頭(※2)」です。しっとりとした生地で白あんをつつんだ可愛らしいスイーツです。最後にご紹介するのは「金平糖」です。今では知らない人がいないほどポピュラーなお菓子ですが、実はこれも長崎シュガーロードを通って日本に伝えられた南蛮菓子のひとつです。核となる砂糖の粒を転がしながら、グラニュー糖を煮詰めた蜜を吹きかけます。製造には約2週間もの時間がかかるそうです。

このように長崎から日本に持ち込まれた砂糖は、日本各地に広まっていく中でその土地で独自の文化を開花させたのです。ついに先月、九州新幹線も全線開業し、鹿児島までグッと近くなりました。皆さんも一度、九州に来て歴史と共に発達したスイーツ文化を試してみてはいかがですか?

2011/04/15 Posted by T.I.

※1 小城羊羹:佐賀 「小城羊羹協同組合」によって登録された商標
※2 千鳥饅頭:千鳥饅頭総本舗の登録商標