紀陽情報システム株式会社

コラム

ハイテクの目

皆さんは、ホークアイというシステムをご存知でしょうか?テニスの「チャレンジ」と言えば、聞いたことがある方も多いのではと思います。ホークアイとは、ホークアイ社のハイテクを駆使した審判補助システムのことで、競技場に設置された複数のカメラが捉えた映像からボールの最も妥当な軌道を再構築し、コンピューターグラフィックスで瞬時に映像として再現するシステムです。その計算には、脳手術やミサイル追跡に使用されるような技術が使われています。テニスでは、2006年にホークアイを使った「チャレンジ」(challenge)というルールが導入され、審判の判定に異議を申し立てできるようになりました。

チャレンジのルール

  • チャレンジにより、ボールの軌道、接地箇所、および判定結果が場内のスクリーンやテレビの画面に映され、再判定が行われる。
  • チャレンジできる回数は1セットにつき3回まで。
  • 審判の判定が誤りで、チャレンジに成功すればチャレンジ回数はそのまま。審判の判定通りであった場合は、チャレンジ回数が1回減る。

テニスは審判が1番多いスポーツで、大きな大会では9人もの審判がいます。にも関わらず、しばしば誤審や選手の思い違いにより、判定をめぐるトラブルが発生します。このやり取りも、テニス観戦の1つの楽しみでもあるのですが、たった1つの判定で試合の流れが変わることもあり、選手や審判にとっては大きな問題です。道具の進化や身体能力の向上により、ボールの高速化が進んできている状況では、選び抜かれた審判の肉眼でも、ボールの落下位置を正確に判定し続けるのは困難なことです。そんな中、平均測定誤差が3.6ミリメートルというホークアイは、非常に有効なシステムとして活用されています。

写真:テニスボール さらに、このシステムは単に判定するだけでなく、観客も「審判の視点」でイン/アウトを確認できるというエンターテインメント性も提供しています。判定結果だけでなく、選手や審判と一緒に大画面上で、ボールの軌跡をリアルなCGで確認できるのです。CGでは、正面から飛んできたボールがラインにタッチする直前にスローモーションとなり、ラインタッチ後、速度に応じて斜めに延びたボールの影がつきます。その時点では、画像が小さくはっきり見えないのですが、徐々にズームアップして結果を見せるという風に、臨場感があり、ドキドキしながら判定結果を見てしまいます。2011年3月には、ソニーがホークアイ社を買収し、判定だけでなく新しいかたちのエンターテインメントの提供も目指しているとのことで、今後あっと驚くような映像が見れるではと非常に楽しみです。また自分の打ったボールも、よく見えないことがあるので、一般のプレーヤーでも気軽に利用できるようなコートができることも期待しています。

2012/08/29 Posted by K.H.