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コラム

深呼吸

写真:夕暮れ時 和歌山県に住んでいる方なら、一度は行ったことがあるだろう高野山。年に数回は訪れるお気に入りの場所である。高野山は、弘法大師空海が修行の場として開いた場所で、比叡山とならび日本仏教の聖地であり、真言宗の総本山である金剛峯寺がある場所でもある。2004年から、熊野・吉野・大峰と共に『紀伊山地の霊場と参詣道』としてユネスコの世界遺産に登録されている。高野龍神スカイラインから見る山並みは、奥へ奥へと連なり、夕暮れ時には青いグラデーションを見せてくれる。どこまで続いているのだろうと思わせるその連なりからは、霊場と呼ぶにふさわしい静けさが漂ってくる。
(写真:夕暮れ時)


写真:夕暮れ時 見どころはたくさんあるが、私の場合、奥の院が特に良い。神聖な雰囲気に浸ることができる。参道には、皇室、公家、大名、武将などの墓が多数並び、その総数は20万基以上あると言われている。企業の慰霊碑や供養塔も数多くある。参道には樹齢何百年という大きな杉の木が立ち並んでいて、墓石の多くは苔むしている。しっとりとした空気が満ちていて、呼吸をするのが心地良い。何とも言えないエネルギーで守られているような空間だ。それらを育んだ千年を超える時を思いながら歩く。夏はひんやりとして下界とは別の世界に来たようだ。冬は雪に覆われてシンとした静かな世界がまた美しい。
(写真:夕暮れ時)


写真:冬の参道 参道を抜けると奥の院、弘法大師の御廟と灯籠堂がある。ここからは脱帽、撮影禁止で特に神聖な場所となっている。御廟の前室として燈籠堂があり、弘法大師へ献上する燈籠が下げられている。白河上皇が献じた白河燈は「消えずの燈明」と呼ばれ、1088年から絶えることなく燃え続けているというから驚きだ。
(写真:冬の参道)



2015年には開創1200年を迎える高野山。参詣する目的は人それぞれだが、日常から離れて深呼吸。あえて閑散期に訪れてみるのもおすすめだ。

2013/08/28 Posted by T.N.

掲載する写真は、文章と一緒に寄せていただきました。